身内やあなたが手術する際、医師に謝礼しています?もしくは謝礼しそうですか?
謝礼に関してのアンケートがあります。それによると謝礼を受け取る医師は6割ほどです。
患者の気持ちだから受け取る。患者が無理やりポケットにねじ込んできたからやむなく受け取った。謝礼は一切受け取らない。いろいろな医師がおられます。
手術前や後に謝礼をする行為が、いまも一部で確実にあるということです。
謝礼を渡さないといい手術が受けれないのではないかとか、「なんとかお願いします」という懇願からの意味でするわけです。
お気持ちはよくわかります。なんとか治して欲しいという、わらをもつかむ思いでしょうから…
わたくし、はやとは謝礼をしたことはありません。しかし、手術前の説明時に気づいたことがあります。
担当医がピリッとした雰囲気になり、謝礼よりも効果があると確信したのです。
その内容を2つ紹介します。
執刀医に謝礼
病気やケガの重さによっても変わりますが、手術をするということはこれから医師と病院に長くお世話になるということです。
1、手術前はあらゆる検査を行います
⇨ その時点で仕事は休むことが多くなりますし、精神的にもきつくなります。
2、仕事の休業の準備
⇨ 会社に報告し仕事の調整をする。
3、術後の経過観察
⇨ しばらくは安静、または激しい運動はできない。
4、病状、ケガの状況次第で生活全般を変える必要がある
手術は大きな効果を期待できますが、それだけで治ることはないでしょう。術後の経過観察で適切な治療も継続していくわけなので、手術だけに執着すべきでもないと考えます。
謝礼より効果のある2つの方法
謝礼は感謝の気持ちとしてするならいいでしょうけど、これだけ謝礼したから大丈夫だろうなんて思っていたら怖いですよね。謝礼をしようがしまいが、手術の内容には変わりはないのですから...
手術前に「しっかりとお願いしますよ、先生」という思いを伝えるなら、謝礼よりも今から紹介する方法の方が効果あるでしょう。
人はもらうことよりも失うことを恐れます。心理学にもあります。ですから言葉は悪いですが、「先生、しっかりと手術をお願いします。じゃないと大変なことになりますよ。」という雰囲気を作る。
雰囲気だけですよ。言葉に出したら脅しになりますから、決して口頭では言わないように。⚠
「インフォームド・コンセント」は 複数同席する
☆手術の説明(インフォームド・コンセント)の時はなるべく複数で同席する
医師に大事な人なんだということを暗に伝える。
医師も人間です。患者の家族のことを気にしないことはないはず。
医師が病状や治療を充分に説明し、患者・家族が病状や治療について理解し納得してもらう行為です。手術の承諾書を書いてもらうためだけの説明ではありません。
病状や治療の説明がよくわからないまま、医師にお任せしますということがあってはなりません。時には説明を受けて手術はしませんということもあるべきかもしれません。
わたしの手術前のインフォームド・コンセントを家族3人で来たんです。妻と兄と母親です。
ちなみにわたしの手術は肺ガンのステージ1で右肺を半分切除というものです。手術前や手術後はこちらに書いてます⇩
最初は妻だけの予定だったのですが、母親も同席したいと言い出しました。
(母親は15年前に夫をガンで亡くしています。もちろん私の実の父親です。)
母親は目が悪いので兄が連れてきたんです。偶然にも3人で説明を聞くことになりました。
担当医から話を聞くために診察室に入ると...
体験談(診察室編)
3人で診察室に入ると担当医はビックリした様子でわたしに聞きました。
その時の医師の表情がはっきりと変わったのが確認できました。それでわたしが「三人で説明を聞くことはないんですか?」と尋ねると「ほとんどないです…。」と。
そこから手術の話しをするのですが普段の担当医とは少し違う雰囲気でした。明らかに緊張感のある雰囲気でした。
そこでハッと気づいたんです。医師に軽くプレッシャーがかかったかと。もちろんいい意味ですよ。
患者以外に人がいるのでどんな医師も緊張感は出るでしょうが、思った以上に家族が来たからやりづらい様子はありましたね。
毎日、部下の様子を見ながら指導、雑談をしていますから。
誰でも毎日調子いい人はいませんので、その日の様子を見てコメントを変えていきます。(ま、できて当然かもしれませんがw)
医師の微妙な変化は察知しました。
しっかりと聞く
☆病気・ケガの事を勉強し質問もする
この家族、「結構うるさそう」と思ってもらう。
おじいちゃん・おばあちゃん世代は医師を神のように崇(あが)める方がいますが、現代ではそういうのはやめましょう。
医師と患者の共通の認識が必要です。リスクも突っ込んで聞くべきです。
体験談(質問編)
わたしは担当医にいろいろ聞いていましたので質問はないです。母親は医師に質問なんてしません。w ただうなずくだけ。w
すると妻が満を持して質問です…
妻はステージ1はすぐ治ると思っているので、わたしより家計を気にしています…。
ま、そうだよな…。
袖の下の効果
謝礼したら何か変わるのだろうか?誰でもそう思うでしょう。
この章では謝礼したらどう変わるのかを予測してみましょう。
1、手術の上手い外科医がつく
⇨インフォームド・コンセントの前に執刀医は決まるのであり得ない。 ✖
2、同じ料金でもいい部屋になる
⇨普段から病院に寄付しているような実力者なら当然あるが、一見さんの患者ならありえません。✖
3、術後のていねいな対応 ※長く居たい患者の退院を遅らせる
⇨ 医師の判断次第なのでありえるかも △ (厚労省より医療費削減の圧力がかかっているから微妙かも…)
4、傷病手当金の医師のサインを長い期間にしてもらう
⇨ 医師の判断次第だが、病院、協会けんぽ、組合健保とのからみがあるので微妙。△
医療保険(健康保険、国民健康保険、船員保険、各種共済組合)の被保険者が病気、負傷により業務に就くことができない場合、療養中の生活保障として保険者(全国健康保険協会、健康保険組合等)から支給される給付金のことです。
会社と医師の証明があれば最長1年半、給料の3分の2(目安)が支給されます。
謝礼に対する患者側のメリットはほとんどないでしょうね。単純に医師のポケットマネーが増えるだけのことかと感じます。
そしてもうひとつ、謝礼は謝礼であるべきです。手術前にお渡しするのは賄賂感が出ますからね。
せめて手術後や退院時にお渡しする方が医師は喜びますよ。
物で謝礼する方がいやらしさは抜けます。さりげないプレゼントは医師もサラリと受け取りやすいでしょう。⇩
謝礼をしない方がいい場合
謝礼をして医師に迷惑がかかる場合もありえます。
● 国公立病院の医師に謝礼を渡す
● 病院内のあちこちに金銭は受け取りませんという張り紙がある場合
● 明らかに人前で渡す行為の場合
解説します。
公務員という見られ方をしますので収賄の疑いが出てしまいがちです。実際に問題があったようです。謝礼に当たるのか、賄賂に当たるのかという部分に焦点を当てられた裁判がありました。
謝礼をする場合は医師個人ではなく病院に寄付するようにしましょう。
病院内で金銭授受はしないと徹底しているかもしれません。看護師、事務員がチェックしている可能性があるのでしない方がいいでしょう。
明らかに謝礼を人前で渡す
謝礼であったとしても人前で金銭を渡す行為は控えましょう。現在のスマホ事情を知っている方ならおわかりでしょう。
カメラで撮影されウソのコメントを書かれツイッターなどに載せるという嫌がらせがあるかもしれません。
壁に耳あり障子に目あり です。
どこでだれが見ているかわからないから秘密が漏れるという例えです。
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まとめ
被保険者であり通常の手術であれば高額療養費制度が使えます。制度が改正され2007年よりは自己負担額はほぼ一桁です。
百万クラスの手術が一桁ですから良い医療制度です。ほとんどの方が適切な費用で治療を受けることができます。
高額療養費制度がない50年ほど前は、手術の治療費が莫大にかかったということです。謝礼が横行していた時代は「莫大な医療費 + 謝礼」ですから金銭の余裕のある人ができたのでしょう。
余裕ある人が感謝でしていた謝礼が、いつのまにか謝礼を渡さないといい手術をしてもらえないという歪んだ解釈になったのかもしれません。またはホントにそんなあり得ないことが横行していたのかもしれません。
もしそうであるなら患者の差別化にもなり悪しき慣習です。現在は保険治療、自由診療と医療は多角化しています。
特別扱いしてほしいと謝礼をお渡しするよりも、医療をよく調べ納得できる治療のためにお金を使う方が活きたお金の使い方になります。
謝礼はよく考えてしましょう。決して無理してするものではありませんからね。
謝礼は感謝の気持ちがあり、したい人がする。これでいいのです。